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フィナステリドで性欲が落ちる?性機能への影響について解説

フィナステリドで性欲が落ちる?性機能への影響について解説 AGA治療薬

フィナステリドによるAGA治療を検討するとき、

「性欲が落ちるのでは?」
「勃起や射精にも影響する?」

と心配になる方もいるでしょう。

フィナステリドでは性欲減退などの副作用が報告されていますが、服用した人すべてに起こるわけではありません。

この記事では、性機能に関する副作用の種類と頻度、服用中止後の経過、症状が気になった場合の対処法を、添付文書や診療ガイドラインをもとに解説します。

フィナステリドで性欲が落ちることはある?

フィナステリドの服用中に性欲が低下する可能性はあります。国内の添付文書には「リビドー減退」が副作用として記載されており、リビドーとは性的な関心や欲求のことです。

たとえば、以前より性的な気分になりにくい、性行為への関心が薄れたと感じるなどの変化が考えられます。ただし、感じ方には個人差があり、症状の現れ方や程度を一律に示すことはできません。

また、性欲の低下と、勃起しにくい状態は必ずしも同じではありません。性欲はあるものの勃起を維持しにくい場合もあれば、勃起機能に問題がなくても性的な関心が低下する場合もあります。症状を区別しておくと、医師に相談する際に役立ちます。

大切なのは、服用後に変化があったからといって、薬が原因だとすぐに断定しないことです。薬との関連を考える際は、体調や生活状況、症状が始まった時期なども含めて確認します。

フィナステリドが男性ホルモンに作用する仕組み

フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)の進行を遅らせる目的で用いられる内服薬です。AGAには、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が関わっています。

体内では、テストステロンが「5α還元酵素」の働きによってDHTに変換されます。DHTが頭皮の男性ホルモンに反応する毛包に作用すると、毛髪の成長期が短くなり、髪が細く短くなることがあります。

フィナステリドは主に5α還元酵素Ⅱ型の働きを阻害し、DHTの生成を抑えます。男性ホルモンの代謝に作用する薬であるため、性機能に関する副作用が報告されています。

一方、テストステロンの分泌そのものを止める薬ではありません。また、DHTの減少が個々の人の性欲にどの程度影響するかは単純には判断できません。「男性ホルモンを抑える薬だから必ず性欲がなくなる」という理解は適切ではないでしょう。

国内の添付文書では、男性成人に通常0.2mgを1日1回投与し、必要に応じて増量する場合も1日1mgを上限としています。用量や服用方法は処方医の指示に従ってください。

性欲以外に報告されている性機能への影響

勃起機能不全(ED)

勃起機能不全とは、性行為に必要な勃起が得られない、あるいは十分に維持できない状態を指します。フィナステリドの添付文書には、勃起機能不全が副作用として記載されています。

勃起には血管や神経の働き、心理状態など複数の要素が関係します。症状が続く場合には、薬の影響だけでなく、持病やほかの服用薬なども含めた評価が必要です。

射精障害・精液量減少

射精に関する副作用として、射精障害と精液量減少も報告されています。射精障害は射精がうまくできないなどの状態を指し、精液量減少は射精時の精液の量が少なくなることです。

これらは性欲減退やEDとは異なる症状です。精液量の変化があっても、それだけで精子の数や妊娠しやすさを判断することはできません。気になる場合は、必要に応じて医療機関で相談しましょう。

男性不妊症・精液の質の低下

発現頻度は不明ですが、男性不妊症や精液の質の低下も添付文書に記載されています。精子濃度の減少、精子運動性の低下、精子形態の異常などが報告されています。

ただし、こうした報告があることと、服用した男性が必ず妊娠しにくくなることは同じではありません。妊活中の方は、この点を含めて処方医と情報を共有することが大切です。

性機能に関する副作用の頻度はどのくらい?

国内のフィナステリド製剤(プロペシア錠)の添付文書では、性機能に関する副作用の頻度が次のように示されています。

副作用 添付文書に記載された頻度
リビドー(性欲)減退 1~5%未満
勃起機能不全 1%未満
射精障害 1%未満
精液量減少 1%未満
男性不妊症・精液の質の低下 頻度不明

※「頻度不明」は発現割合を算出できないことを意味し、症状が起きないという意味ではありません。また、記載された頻度は個人の発症確率をそのまま予測するものではありません。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、複数の臨床試験をまとめた研究において、性機能障害の相対危険度は1.39(95%信頼区間:0.99~1.95)と報告されています。

フィナステリド服用群でリスクが高い傾向は見られたものの、この結果では統計学的に明確な差が示されたとはいえません。研究結果の解釈には注意が必要であり、不安がある場合は数字の意味も含めて医師に確認するとよいでしょう。

性欲の変化はいつから起こる?

「服用開始から何日で性欲が落ちるのか」と気になる方もいるかもしれません。しかし、副作用が現れる時期には個人差があり、誰にでも当てはまる一定の期間を示すことはできません。

また、性的な関心や勃起の状態は日によって変動することもあります。一度変化を感じたという理由だけで副作用と断定するのではなく、症状が続くか、生活に支障があるかなどを確認することが大切です。

治療を始める前の状態を把握しておけば、服用開始後に違いを感じた場合も比較しやすくなります。気になることがあれば、次の診察時に具体的に伝えましょう。

服用をやめると性欲は元に戻る?

性機能の変化が起きた場合、フィナステリドの服用を中止すれば必ず改善するとは限りません。

添付文書には、リビドー減退、勃起機能不全、射精障害について、販売開始後に服用中止後も症状が持続したとの報告があることが記載されています。ただし、その頻度や持続期間、すべての報告で薬との因果関係が明らかになっているわけではありません。

一方、服用を中止するとDHTの生成を抑える作用は続かなくなり、AGAの進行が再び目立つ可能性があります。性機能への影響と薄毛治療の目的を両方考え、服用を続けるか変更するかは処方医と相談しましょう。

「症状があっても必ず我慢しなければならない」「やめれば確実に治る」といった判断はいずれも適切ではありません。

性欲が落ちたと感じたときの対処法

症状と服用状況を記録する

受診時には、服用を始めた時期、性欲の変化に気づいた時期、症状が続いているかどうかを伝えると役立ちます。勃起や射精にも変化があるか、日常生活への影響がどの程度あるかも整理しておきましょう。

毎日細かく確認する必要はありません。無理のない範囲で経過をメモし、困っていることを医師に説明できるようにしておくことが大切です。

睡眠・ストレス・持病なども確認する

性欲や勃起の状態には、睡眠不足、疲労、精神的なストレス、飲酒なども影響します。また、糖尿病や血管の病気、ほかの薬が関わる場合もあります。

体調や生活習慣に変化がなかったかを振り返り、必要に応じて医師に伝えましょう。症状によっては、AGAを担当する医師から泌尿器科などへの相談を案内されることもあります。

自己判断で減量・休薬しない

副作用が疑われるときは、早めに処方医に連絡してください。医師が症状を確認したうえで、服用中止や治療方法の変更などを検討します。症状が強い場合は次回の定期診察を待たずに相談しましょう。

「半錠にする」「数日おきに服用する」といった自己判断は避けてください。プロペシア錠の添付文書では、錠剤を分割・粉砕しないよう注意されています。

なお、添付文書には抑うつ症状の報告もあります。気分の著しい落ち込みが続く場合は医師に相談し、自分を傷つけたい考えが生じた場合は服用を中止して速やかに医療機関へ連絡してください。

性機能への影響が心配な場合に検討できるAGA治療

性機能の副作用が不安な場合は、治療の目的や薄毛の進行状況に応じて別の方法を検討できることがあります。ただし、どの治療にも効果の限界や注意点があります。

ミノキシジル外用薬

ミノキシジル外用薬は、フィナステリドとは異なる仕組みで発毛を促す薬です。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、男性型脱毛症への使用が推奨されています。

一方で、頭皮のかゆみ、発赤、かぶれなどが起こることがあります。外用薬であれば副作用がないというわけではなく、製品ごとの用法・用量を守って使用する必要があります。

自毛植毛

自毛植毛は、自分の毛髪を含む組織を薄毛の部分へ移植する外科的な治療です。内服薬とは異なる選択肢ですが、手術に伴う身体的負担や費用、移植後の経過を確認する必要があります。

また、移植していない毛髪ではAGAが進行する可能性があるため、手術後の治療計画まで含めて医師と相談することが重要です。

なお、AGA治療薬のデュタステリドもDHTの生成を抑える薬で、性機能に関する副作用が報告されています。フィナステリドから変更すれば性欲減退を避けられると断定することはできません。

妊活中は精液への影響にも注意が必要

妊娠を希望している場合は、性機能だけでなく精液の状態についても処方医に伝えておきましょう。フィナステリドの添付文書には、服用中止後に精液の質が正常化、または改善したとの報告があります。ただし、それだけで男性の妊娠に関わる能力への影響を一律に判断することはできません。

また、妊婦や妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は、砕けたり破損したりした錠剤を取り扱わないよう注意が必要です。錠剤はコーティングされており、破損していなければ通常の取り扱いで有効成分に接触することはないとされています。

妊活中の服用や注意点は、別記事「フィナステリド服用中に妊活しても大丈夫?男性が確認したい注意点」でも詳しく解説しています。

【関連記事】フィナステリド服用中に妊活しても大丈夫?男性が確認したい注意点

フィナステリドと性欲に関するよくある質問

Q. 性欲が落ちたらすぐに服用を中止すべきですか?

症状の程度やほかの原因によって対応は異なります。まずは早めに処方医へ相談し、服用を続けるかどうかを一緒に検討してください。

Q. 服用を続ければ性機能の副作用に慣れますか?

時間がたてば必ず改善するとはいえません。症状が続いたり生活に支障が出たりしている場合は、我慢せず医師に伝えてください。

Q. 性欲が落ちた場合、ED治療薬を併用できますか?

ED治療薬が検討される場合もありますが、性欲低下と勃起機能不全は異なります。ED治療薬で性欲そのものが改善するとは限りません。持病や併用薬によって使用できない場合もあるため、医師の判断が必要です。

まとめ|性欲の変化が気になったら医師に相談しよう

フィナステリドでは、性欲減退、勃起機能不全、射精障害などが副作用として報告されています。ただし、症状の現れ方には個人差があり、服用中に感じた変化がすべて薬によるものとは限りません。

気になる症状があるときは、服用状況と体調の変化を整理して処方医に相談しましょう。AGAの進行を抑えることだけでなく、日常生活や将来の妊娠計画なども含め、自分に合った治療方針を検討することが大切です。

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